アレグサンダーの著書「形の合成に関するノート」の中でデザイン要素の分解図があり、この方法論にならい、プロダクトされた道具を要素ごとに文字で書き出してみた。
取り組んだのは、谷、大脇、半場それと服部で名刺サイズの紙に10分の制限のもとに考えられる要素を書き出してみた。
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テーマ1脚立
谷
天辺に立たないように注意書きをしてある。
折り畳めるように両面をつなぐ渡しがある。
両足に地面と平行な三段の足場用の渡しがある。
水平が取れるように目印がある。
着地面の方が広い台形になっている。
四つ足の接地部分がに滑り止めがついている。
半場
開くと山形になる。
伸ばすと2mくらいになる。
おりたためる。
4つのステップがあり1ステップ400mm程度ある。
足が4つ
大脇
Aの形をしている。
天辺までに足場が3ステップある。
白だった。
長手に辺の1カ所にジッパーがある。
約1200mmx600mmx150mm
表面が布でできている。
主にアルミでできている。
軽い。
脚立は目的以外に要素多く、同じ内容だとしても、個々に表現方法が異なった。
例えば、
「4つのステップがあり1ステップ400mm程度ある。(半場)」
「天辺までに足場が3ステップある。(大脇)」
このような問題は観察者の立ち位置によって異なる。
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テーマ2 ダブルベット1/3
谷
中にバネが入っている。
角がをなくしてあり丸みをおびている。
厚み20cmmくらい幅70cmくらい。
表面は布製でクリーム色。
軽い。
寝転がるのに適している。
半場
ファスナーの片方だけついている。
重い物をはじく。
白い。
外側の素材は布。
たたくとタンバリンのような音がする。
縦130cm横50cm高さ20cmくらいの直方体。
5cm間隔で縫い目がある。
中にバネが入っている。
大脇
開いた際踏みしろが7ステップあり壁に立てかけた時に水平になる。
スプリングが入っていて、物を面に落とすとはねる。
人が乗って高い所で作業する。
柔らかい。
服部
つやがないマットな色調。
一見フラットだが細かい凹凸が多い。
角がない。
最大面を上面下面と仮定するとその2面は各19ステッチで分割されている。
直方体である。
4辺がリブで縁取られている。
要素が少ないため表現方法もほぼ同じ表現が出てくる。
たたくとタンバリンのような音がする。白かった。といった別の用途も出てきた。
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特に意味がない
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跳び箱のなどの踏み台
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意味が無い
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寝ているという点で様子が似ている。
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小屋
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脚立用のうのベット
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AI
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3人用雨宿り
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ベットという「休憩するもの」「夜使うもの」として、脚立を「労働の道具」とするなら、「労働によって安眠が確保されている、しかしそれは微妙なバランスで支えられている。」とも読み取れる。
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次に、今回書かれたカードを使って、脚立とベットを組み合わせて、新しい使い方を探す試みをした。これは、例えばイスは座るモノだが、4脚並べれば、ベッドかソファーの様に寝転がって休む事ができ、そのような工夫は誰もが普段から行っている作業だ。これを限定されて道具で徹底的に組み合わせを考えてみるという試みである。
これは、4人で相談しながら様々な組み合わせを検討された。
今井がある物から、無意味な物まで出て来たパタンを大きく分類すると、身体が介入した道具としてのパタン、言葉遊びのパタン、それから、この二つに属さない道具的にも言葉遊びにも至らない状態に分かれた。この道具的にも言葉遊びにも至らない状態を機能不全の状態とワークショップ内では呼ぶ事決めた。